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続 奈良市のゴミ問題を考える

令和6年度末を迎え、最重要課題でありながら決められない政治が続き、停滞する奈良市のゴミ問題を続編として考えます。

上中下のシリーズで奈良市のゴミ問題についてふれてきましたので、これまでの経緯などは過去の投稿を確認ください。

【豊中市伊丹市クリーンランド】

17日、地区自治連合会の研修で、豊中市伊丹市クリーンランドに伺いました。処理能力525t/日の焼却炉を有する環境清美工場が豊中市と伊丹市の両市の境に広域連携されて建設運営されている施設です。

豊中市は大阪府、伊丹市は兵庫県、府県をまたいだ広域化を実現されていることに、建設計画に携わられたすべて関係者に敬意を表すとともに、行政間の関係が良好であったからこそ、成し遂げられた計画だと推察します。

収集運搬は民営化され、色とりどりの収集車が工場に入ってきます。エアカーテンや二重扉の対策により臭気が外に出ることもありません。

オートメーション化による人件費削減により財政負担の削減にも繋がっています。

視察のための施設も充実しており、工場内の様子を随所で確認することができます。老朽化が進む奈良市環境清美工場と対比して、焦りも感じました。

【奈良市の新クリーンセンター建設問題】

老朽化が著しい奈良市環境清美工事…一刻も早い建替えが求められいます。しかし、奈良市においては奈良県との関係は悪化し改善の兆しなどなく、さらに近隣市との関係も悪く、以前に計画された、新クリーンセンター建設計画の「広域化」は頓挫してしまいました。最悪の結果を招いています。その責任が誰にあるのか⁈答えは誰もが知るところです。16年間の市政運営で、1ミリも前に進めることができなかった新クリーンセンター建設計画。その間にも工場は老朽化し、140億円もの巨額を投じて、延命化修繕する事態に陥りました。視察した豊中市伊丹市クリーンランドのゴミ焼却施設の総工費は205億円です。地方自治体が実施する環境清美工場の建替え工事などには環境省からの交付金が交付されることから、おそらく数十億円の交付金が財源として充てられていると思われます。奈良市は約10年の延命の為に140億円を予算措置しましたが、140億円と交付金(工場建替えのための国からの交付金)をあわせれば同等規模の新工場が建設できるはずです。このことからも、延命化の修繕費用140億円がいかに高額かが理解いただけると思います。しかも国の交付金は得られずすべて市負担です。

 議会として、奈良市の喫緊の課題にしっかり取り組み、個人の好き嫌いではなく、市民目線で仕事をしていかなければならないと痛感しました。

今回の研修では財政関係の詳細までは確認できませんでしたが、次回研修の機会には、広域化までの取り組みや財政面の状況を学びたいと考えます。

【追伸】

奈良市の環境問題について、意見や質問をいただきましたので、ここで解答させていただきます。

いただいた意見や質問は、「予算を否決した議会にも責任がある」、「今年度、クリーンセンター建設に向けた関連予算を否決した議会に、責任は無いの?」でした。

まず、議会審議については、我が国は民主主義国家であり、議会は市民の代弁者でありますので、民意によって賛否が分かれ多数により可決・否決が決まります。議案として提出される政策に問題があるから否決されていることをご理解ください。問題がない政策であれば、過半数を超える賛成があり議案は可決されています。つぎに、今年度の予算を否決した議会の責任についてですが、16年間の市政運営で、新クリーンセンター建設関連予算を議会で減額修正したのは令和6年度予算のみです。言い換えると、16年間中、これまでの14年、15年間の予算においては、新クリーンセンター建設関連予算が毎年予算化されていながら、ほとんど執行できず、時間のみが過ぎ去ってきました。ここに大きな問題があります。議会の責任ではなく決められない政治に明らかな責任があります。

プロフィール写真
山本かずひろ
奈良市議会議員
元 奈良市議会副議長
2013年7⽉ 奈良市議会議員選挙に初当選。
2017年7月 奈良市議会議員選挙に二期目当選。
2021年7月 奈良市議会議員選挙に三期目当選。
修士(政策学)関西大学としての知見と議員活動で得た経験値を活かし地方議会の姿を発信しています。

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